ひとつだけ逃げ道がある / 法人成りと社長の給料

このように、事前の届出どおりに支給しなかった場合には、厳しいペナルティーが待ち受けています。ただし、このペナルティーには、ひとつだけ逃げ道があります。


届け出た賞与の支給時期が事業年度末をまたいでいる場合

ここでも、簡単な例をあげて説明します。

今までと同じく、3月末決算の会社を想定して下さい。
事業年度は、4月1日から3月31日の1年間です。

3月末決算の会社が、5月下旬の株主総会で賞与の支給時期と金額を決議し、6月中に税務署に届け出たとします。支給予定を、4月15日に200万円、10月15日に200万円としましょう。

このケースでは、届け出た賞与を支給するのは、当事業年度の10月と、翌事業年度の4月になります。


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そして、結果として、当期の10月には全額支給できたが、翌期の4月には150万円しか支給できなかったとしたら。


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この場合、経費に出来ないのは、翌事業年度の150万円だけなのです。


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10月の賞与は当期中に支給されることになります。
しかし、3月末で当期の事業年度が終了し、4月より翌期の事業年度が始まります。
この場合、前の事業年度の分まで遡って経費にしない、という取扱いが、税務申告の技術上の限界から、出来ないのです。

事業年度末をまたげば、経費になる。
頭の隅に置いておいて下さい。


また、ここでは、実際の支給額が事前の届出額より少なかった場合を例にとりましたが、逆の場合、実際の支給額が予定額より多かった場合も同じ結果になります。


2回目は支給しない方がよい

先の事業年度をまたいだ例を、もう一度見て下さい。

4月に150万円しか支給していないため、150万円が会社の経費になりません。ただし、賞与をもらった社長は、150万円の賞与に所得税が課税されます。
会社と個人で、2重に課税されてしまいます。

それゆえ、2回目の賞与については、一部しか支給できない状況なら、全く支給しない方が得策です。


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支給額ゼロ、ですから、法人で経費にならない金額もゼロ、社長の賞与に係る所得税もゼロ。
これが、最も賢明な方法ではないかと思います。


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