設立する会社の資本金は、どれくらいが妥当か?

設立する会社の資本金を、どれくらいの金額にすべきか?
妥当な金額というのは、業種や業態によって決まるものではないと思います。

判断の基準となるような点が、いくつかあります。


まず、資本金が小さいことで、事業の足を引っ張られる可能性があるか否か。
言い換えれば、貴方の事業にとって、資本金の金額が対外的な重要性を持つか否か。

一般的に、新たに取引を行おうとする場合、その会社(取引相手)の登記簿謄本を入手します。
そして、登記されている事項を確認します。
本店所在地や役員構成、そして過去の変更登記の履歴、などです。
資本金の金額にも、当然に注意を払うでしょう。

資本金の金額が、その後の取引条件等に影響を及ぼすケースがあります。
資本金が小さいことが、取引金額の制限に結びつくこともあるでしょう。

当事務所のお客様で、大口の仕入先から、「資本金の金額までしか、掛け売りはできない。」と言われた、という話を聞いたことがあります。

もし、そのような危惧が無いという場合は、資本金の金額は気にする必要はないでしょう。
極端なケースですが、1円でも、問題ないと思います。


対外的な問題が無い場合、資本金は小さい方がよい、と思います。
理由は、次の3点です。


1.資本金は返してもらえない。

そもそも、資本金とは何か?
専門書を読むと、難しい理屈が並んでいます。
それは横へ置いておいて、こう考えては如何でしょうか。

資本金は、新しい会社の当面の活動資金である、と。
当面の活動に最低限必要な金額でよい、と。

資本金(出資金)は、会社から回収することができません。
出資後、その資金は会社のお金となります。
個人(出資者)から借り入れている訳ではありません。

出資者が資本金を私的な理由で持ち出した場合、出資者は、そのお金を会社から借り入れたことになります。
会社の帳簿には、出資者に対する貸付金として記録されます。
資本金の払い戻しには、なりません。

そのため、資本金を大きくせず、必要が生じた際には、個人から必要額を借り入れれば良いのです。
借入金(個人からすれば貸付金)は、当然に返済することが必要です。
個人が会社に資金を入れる場合は、出資という方法より、貸し付けの方が、後々、柔軟に出し入れが可能です。


2.税金面を考えると小さい資本金が有利です。

会社は、たとえ赤字であっても、納めるべき税金があります。
法人住民税の均等割り、という税金がそれです。
この税金は、資本金額と従業員数で納税額が決まります。

資本金が1千万円までの場合、納税額は7万円です。(年額)
1千万を越えると、納税額は18万円になります。
(従業員数が50人以下と仮定しています。)


3.消費税では要注意です。

新しい会社を設立した場合、設立後の2期間は、消費税が免税となります。
たとえ2期間だけとはいえ、法人成りのメリットと捉える人もいらっしゃるでしょう。

ただし、この免税措置には、ひとつ大きな条件があります。
資本金が1千万円未満であること、です。
1千万円以上の場合、免税とはなりません。

消費税の2期間免税を考えた場合、資本金は必ず1千万円未満にする必要があります。

詳細は、こちらのページでご確認ください。( 新しいウィンドウで開きます。 )


繰り返しになりますが、資本金が小さくても問題ないのは、資本の金額が対外的に重要ではないケースに限られます。