会社設立手続きのQ&A集

個人事業者が、会社設立の手続きや設立登記を行うに際して、お問い合わせが多い事項をまとめてみました。

会社設立にあたり

・会社設立手続き全てを、自分ですることは可能か?
・会社設立の登記には、どれだけ時間がかかりますか?
・身内のものに会社設立の手続きを頼めるか?
・株式会社の設立費用はどれくらい?
・会社設立前の出費(設立費用)の取扱いは?
・設立費用の領収書の宛名は、誰にすべきですか?
・会社印は何でもよいのか?
・株主になるには何か制限がありますか?
・発起設立と募集設立の違いは?


設立手続の前に決めておくべきこと

・事前に決めておくべき事項とは?
・発起人は個人事業主が1人でも問題ないか?
・会社の商号に何か制限があるのか?
・定款に記載する会社の目的について教えてください。
・会社設立の前に、新しく事務所を借りる場合の契約名義人は?
・本店の「所在場所」と本店の「所在地」は何が違うのか?
・会社には公告する義務があるらしいですが、公告とは何ですか?
・会社には「計算書類の公告」をする義務があるのか?
・現物出資とは、どのような出資をいうのですか?
・会社設立の際に発行する株式1株当たりの金額について教えて下さい。
・設立後最初の事業年度も1年を超えてはならないでのですか?


設立登記の申請書類の作成

・設立登記に必要な申請書類を教えて下さい
・印鑑証明書で何か注意すべき点はありますか?
・定款に記載する事項は決まっているのですか?
・定款に株式の譲渡制限の記載をした方がよいのは何故か?


出資金について

・資本金は、会社設立が完了したの後でしか使えないのか?
・出資金の振り込みをおこなう銀行口座は?
・出資金は必ず振込入金にする必要があるのか?
・出資金は、いつ振り込めばよいのか?



法人成りに関するお問い合わせは、こちらからどうぞ。


会社設立手続き全てを、自分ですることは可能か? / 会社設立Q&A

【ご質問】

会社設立の手続きを専門家に依頼せずに、全て自分でしようと考えています。
これは、無謀でしょうか?


【ご回答】

時間と手間を惜しまなければ、専門家に頼らず、ご自身で会社設立の手続きをすることは可能です。

書店には、「会社の作り方」について書かれたマニュアル本が数多く並んでいます。この中から1冊、ご自身で最も気に入ったもの選んで下さい。本を選ぶ際には、実際に作成する書類等の雛形やサンプルが多く盛り込まれているものがお勧めです。あと、選択の際には、次の2つの点にもご注意下さい。

まず、1点目

平成18年の5月から「会社法」という新しい法律が施行されています。町の小さな書店で、この会社法に対応していない本、すなわち古い法律に基づいて書かれている本が、本棚に並んだままになっているのをたまに見かけます。(大型書店はまず大丈夫でしょう。)

また、今回の会社法のような大規模な法改正の場合、新法の施行時には、運用面での取扱いが明確になっていない部分も残されています。それゆえ、平成18年5月の施行時に出版されたものより、その後、数ヶ月をおいての出版物の方が、施行後に明らかになった取扱いを盛り込んでいる可能性が高いでしょう。実際の執筆時点は、出版の数ヶ月前のはずです。この点、あまり書くとクレームが付くでしょうから、この辺にしておきますが、「より新しい出版物で、ご自分の感覚に合う本」がお勧めです。


そして、2点目

これも大事な点です。
会社設立の手続きは、設立登記だけではありません。設立登記の後、色々な手続きをしなくてはなりません。
会社の設立後(設立登記の完了後)、所轄の税務署に法人設立の届出をする必要があります。それと同時に、府税事務所(もしくは県税事務所)と市役所にも届出が必要です。また、社会保険等への加入手続き等も必要になってきます。その他にも会社の銀行口座を開いたり、その他諸々、結構な手間がかかります。
このような、設立登記の後の手続も網羅した書籍のほうが、「全部でどれだけのことをする必要があるのか?」のイメージを掴みやすいと思います。


こうして選んだ本を、とりあえず最初から最後まで目を通してみて下さい。必要事項全般の大まかな内容が、一通りイメージできると思います。後は必要に応じて、インターネットで必要事項を検索したり、本の該当箇所を読み返したりしながら、手続きを進めていくことになります。

設立手続きを管轄する役所の相談窓口も是非活用して下さい。設立登記であれば、法務局や公証役場。税金なら税務署、社会保険なら社会保険事務所等です。必ず無料で相談に応じてくれます。お電話での問い合わせでも良いのですが、出来れば窓口に出向かれる方が、より親身に相談に乗ってくれるケースが多いようです。電話ですと、「早く切りたい」という心理が働くのでしょうか?どうも対応が素っ気なかったりするようです。


最後になってしまいましたが、当サイトも、その様な個人事業主様のお役に立てればと願っております。

会社設立の登記には、どれだけ時間がかかりますか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

自力で会社設立の登記をする場合、時間はどのくらい必要なのでしょうか?
仕事をしながらなので、その点が最も気になります。


【ご回答】

設立登記が完了するまでの手順を、大雑把なイメージで書けば

1.必要書類や手続きを調べる
  (要は、事前のお勉強ですね。)

2.会社の基本的な事項を決める
  (商号や事業目的、その他諸々の会社の基本となる事項)

3.個人事業主ご本人や役員に就任予定の方の印鑑証明書を入手する

4.以上をもとに、設立登記に必要な書類を作成する

5.管轄する法務局と公証役場に事前に書類を持ち込み、
   書類に不備がないか否かアドバイスをもらう
  (この際、印鑑証明書や出資金を振り込んだ預金通帳なども一緒に持参する方が良いです。)

6.アドバイスをもとに提出書類を修正する

7.公証役場で定款(*1)の認証手続きを受ける
  (問題がなければ、すぐに終わります。)

8.法務局で設立登記の申請書を提出する
  (窓口で書類を提出するだけです。)

9.設立登記の申請書類に不備がなければ、会社は無事設立ということになります。


*1:定款とは、会社の基本的な取り決めを記載した書面です。
  いうなれば、会社のルールブックのようなものです。
  公証役場には公証人という人がいます。
  登記申請に先立ち、この定款に公証人の「お墨付き」をもらう必要があるのです。
  この手続きを「定款の認証手続き」といいます。


1.から9.にまとめてみました。ちょっと、イメージし辛いかもしれませんね。
大きく分ければ、1.から6.までが事前準備です。本番は、7.から9.です。

どれくらい時間がかかるのか?正直に申し上げて、個人差もありますし明確な回答は出来ません。

実は、本番(実際に役所等に出向いて手続きをすること)は、半日もあれば終わるのです。

重要なのは事前準備です。個人的に最も重要なのが、5.だと思っています。これを面倒がらずにキッチリとこなす。必要だと思えば、再訪する。8.(設立登記の申請)で法務局に出向き、申請書類の受付窓口に行く前に、再度、無料相談窓口で書類をチェックしてもらった、という方もいらっしゃいます。

そこまで用意周到にすれば、9.で不備を指摘される心配はもうありません。

どのくらい時間がかかるか、より、どれくらい事前準備に時間を割けるか、で判断される方がよいと思います。お仕事をされながら、1.から6.までが出来るか?です。

身内のものに会社設立の手続きを頼めるか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

日常は仕事の関係で、とても会社設立の手続きをする時間がとれません。
家内に全て任せようと思うのですが、可能でしょうか?少なくとも役所には、私自身が行く必要があるのでしょうか?なお、会社設立の際、代表者は私がなる予定です。


【ご回答】

必要書類は、どなたが作成されてもかまいません。必要な方の印鑑が押されてさえあれば問題ありません。
問題は、「誰が役所へ行くべきか?」です。

答えは、誰が行ってもかまわない。です。

ただし、1つ前の【ご回答】にある簡単なフローチャートでご説明すれば、7.8.は、行くべき人が決められています。

7.公証役場:発起人(*1)全員

*1 発起人とは、会社設立時に役員に就任する予定の人、と覚えておいて下さい。
  正確な表現ではありませんが、その理解で問題はありません。

8.法務局(設立登記の申請):会社の代表者(正確には就任予定者)

それ以外の方が出向く場合、「委任状」という書類が必要になります。
行くべき人(全員)が、実際に出向く人に宛てた書面で、公証役場用と法務局用と2種類必要です。
実際の書面は、別の機会にアップさせていただきます。

ここでは、奥さんでも従業員さんでもかまわない、と覚えておいて下さい。
書面を2種類作るだけでクリアーできます。

株式会社の設立費用はどれくらい? / 会社設立Q&A

【ご質問】

株式会社の設立を考えています。会社設立に必要な費用は、どれくらいですか?


【ご回答】

株式会社の設立登記を自力でされる場合、27万円ほどの費用がかかります。
もちろん、資本金となる出資金は別で、です。
費用の内訳は次のとおりです。

○ 公証役場で必要になる費用

 ・定款に添付する収入印紙:4万円
 ・定款の認証費用:5万円
 ・定款の謄本の交付手数料:1部あたり250円

○ 法務局で必要になる費用

 ・登記にかかる登録免許税(印紙代):最低15万円 *1

*1 資本金の1000分の7円、または15万円のいずれか多い金額です。
    通常、15万円で収まるのではないでしょうか。

○ その他の費用

 ・会社印(代表印や角印など)の作成代
  これは、印鑑のグレードによりますが、数千円程度で揃います。
  なお、会社印は必ずしも作る必要はなく、個人の実印でも代用が可能です。
  (しかし、一般的には作られるでしょうが。)

 ・印鑑証明書の交付費用、登記完了後の登記簿謄本取得費、ほか諸雑費
  ケースバイケースでしょうが、2,3万円程度でしょうか?

会社設立前の出費(設立費用)の取扱いは? / 会社設立Q&A

【ご質問】

設立費用は会社の設立前に必要になるものですが、これら会社設立の費用(設立費用)は個人事業での経費に出来るのでしょうか?それとも、会社設立の後、会社で支払ってもらうのでしょうか?


【ご回答】

1つ前のご質問で、設立費用のことに触れました。これらの費用は、当然、会社の設立前に必要になるものです。また、役所へ出向く際の交通費や諸雑費なども必要になります。

これらは、とりあえず個人で立て替えることになります。立て替えるわけであって、個人事業(事業所得)の経費になるわけではありません。そして、設立登記が完了し会社が出来上がった段階で、会社で清算してもらいます。

会社は、出資金(資本金)に相当する預金を持っています。この預金で設立費用を精算してもらうわけです。結果、設立費用は会社が負担したことになり、会社の経費になります。もちろん、領収書等の書類も会社で保存することが必要です。

ただし、会社が負担できるのは、会社の設立に必要な範囲のものに限られます。

設立費用の領収書の宛名は、誰にすべきですか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

設立費用を支払う時点では、会社は設立されていません。支払時に領収書等をもらう場合の宛名は、誰になるのでしょうか?


【ご回答】

おっしゃるとおり、設立手続中は、会社はまだ法的には存在しません。
そこで、厳密には「株式会社*** 発起人****」等とすべなのでしょう。
しかし、そこまで厳密に考える必要はなく、あなた(個人事業主)の個人名でも、設立中の会社名でも問題ありません。 ただし、個人事業で使用している「屋号」は避けて下さい。

会社印は何でもよいのですか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

会社の印鑑は必ず作る必要があるのですか?
個人の実印を代用することも出来ると聞いたのですが?


【ご回答】


○ 代表印は必ず必要

会社で使用する印鑑の一般的な構成は、

・会社代表者印(代表印)
・会社角印

でしょうか。銀行用の印鑑を別に用意されている例もあります。また、事務仕事には、ゴム印が欠かせません。

この会社の印鑑の中で必ず必要なのが、代表印です。角印その他は、無くてもかまいません。
代表印は、設立登記の際に法務局に届け出る必要があるためです。

しかし、この代表印、ご質問にもありますように、個人の実印等で代用することも可能です。
なお、代表印は法律でサイズ等が制限されています。個人の実印等で代用される場合、印鑑の直径が3センチを超えているものは使用できません。また、印影がハッキリとしない印鑑もボツになります。


○ 新調すべきか?

実は、よく問い合わせがあるのです。
次の点をポイントに、お話しをさせていただいています。

・代表印そのものに「こだわり」を持たれているか否か

こだわりは無い、という方の場合:

その1:個人の実印をずっと代表印として使う。

このケースは、なにも考える必要はありません。ご本人の自由だと思います。

その2:スピード仕上げ等の安くて早い業者さんで作ってもらう

設立登記の際には個人実印を代表印として届け出て、会社設立後に作った印鑑に変更することも可能で、この方法を利用する方も多いようです。代表印の変更を「改印」といいますが、手続きは簡単です。しかし、簡単な手続きでも、後々に作るつもりであれば、スピード仕上げの印鑑を設立に際して作成し、それを登録した方が改印の手間が省けます。


こだわりをお持ちの方の場合:

ハイグレードな印鑑は、効果であると同時に、作成までの時間がかかります。
「いつ印鑑が出来上がるのか?」で、設立登記のスケジュールに支障が出るケースもあります。
そのため、取りあえずは個人の実印で設立登記を乗り切って頂くことをお勧めします。
会社設立後に出来上がった「こだわりの1本」に改印していただくことになります。


貴方は、どちらのタイプでしょうか?

株主になるには何か制限がありますか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

株主(出資者)になるには何か制限があるのですか?また、株主は何人くらい必要なのでしょうか?


【ご回答】

誰でも株主(出資者)になることができます。何ら制限はありません。
他の法人(会社)が、株主になることも可能です。

また、株主(出資者)は最低1人いればよく、株主数に上限はありません。

発起設立と募集設立の違いは? / 会社設立Q&A

【ご質問】

会社設立の手続きには、発起設立と募集設立があるらしいのですが、両者の違いは何でしょうか?また、個人事業を法人成りするにあたり、会社設立の際には、どちらを選択すべきでしょうか?


【ご回答】

ご質問のとおり、会社設立の手続きには、発起設立と募集設立という2つの形態があります。

発起設立とは、会社設立時に発行する株式の全てを、発起人が引き受ける設立手続きをいいます。発起人とは、会社設立の手続きを行う人をいいます。発起人は、必ず1株以上の株式を引き受けなければなりません。

会社設立の際には、ほとんどの場合、この発起設立が利用されます。1人もしくは少数の発起人のみが設立手続きを行うため、簡単で、かつ迅速な設立手続きが可能になるためです。


一方、募集設立とは、会社設立時に発行する株式の一部だけを発起人が引き受け、残りの株式については、他に株主となる人を募集する設立形態をいいます。

発起人以外の人が株式を引き受ける(出資する)ため、発起設立と比べて設立手続きが複雑かつ厳格になります。それゆえ、募集設立は非常に少なく、特別なケースで用いられる会社設立の方法です。


個人事業を法人成りされるケースで、会社設立を独力でされる場合、日々のお仕事と設立手続きを並行して行うことになります。
それゆえ、非常に多くの方から出資を募るというケースや、出資者に外国人や外国法人が含まれる場合を除いては、是非、手続きが簡単で迅速な、発起設立を選択してください。

募集設立を独力で、というのは、少し厳しいかもしれません。

事前に決めておくべき事項とは? / 会社設立Q&A

【ご質問】

会社設立にあたり、何を最初に決めておくべきでしょうか?


【ご回答】

会社の基本的な事項を最初に決めておきます。
基本事項は、会社設立(設立登記)に係る申請書類の作成の際、必要になる事項です。
前もって、しっかり決めておきましょう。その後の、書類作成がスムーズになります。

発起人の決定
発起人は必ず1株以上を引き受ける必要がありますので、発起人 = 株主、と考えてください。一方、発起人は、必ずしも役員に就任する必要はありません。



商号
商号とは会社の名前です。
前か後ろに、株式会社という文言を用いる限り、自由に決めることが出来ます。



目的
会社が営む事業の内容のことで、登記簿の目的欄に記載されます。
会社は、目的欄に記載されていない事業を営むことは出来ません。



本店の所在場所
設立する会社の場所を決めます。個人事業主さんの場合、それまでの事務所や店舗を本社にされるか、もしくは自宅ということになるでしょう。




公告方法
「公告」とは、会社から株主その他の利害関係者に対する「お知らせ」のことです。
この公告をする際の方法(公告を掲載するメディア)を定款に定める必要があります。



資本金の額
通常は、出資金の全額を「資本金の額」とします。
会社の運転資金として当面必要な金額を、出資されてはいかがでしょう。
会社法の施行により最低資本金規制が撤廃され、資本金の制限はなくなりました。
極端な話ですが、資本金1円の会社を設立することも可能になりました。



各発起人が引き受ける出資額
発起人が1人の場合は関係ありません。
複数いる場合に、それぞれの発起人の出資額を決めます。
発起人は最低でも1株、引き受ける必要があります。

1株当たりの金額
会社設立の際に発行する株式、1株当たりの金額を決めます。
金額の制限はありませんが、一般的には1株5万円というケースが多いようです。



各発起人が割当てを受ける(引き受ける)株式数
割当てを受ける(引き受ける)株式数は、各発起人の出資額 ÷ 株式1株当たりの金額 で、計算される株数です。

現物出資に関する事項(現物出資をする場合)
出資は、原則として金銭出資が原則ですが、現物を出資することも可能です。
出資できるのは、経済的な価値のある財産のみです。



発行可能株式総数
会社設立に際して、会社が将来発行することの出来る株式の総数を、あらかじめ決めておきます。一般的に、設立時の発行株数の4倍、というケースが多いようです。

株券を発行するか否か
株券を発行するメリットは、あまりありません。「発行しない」ことをお勧めします。
会社法の施行により、「発行しない」が原則となったため、その場合、この項目は忘れていただいて結構です。

役員
取締役が1名以上、いれば足ります。
取締役を2名以上置く場合は、誰が代表取締役になるかを決めます。
取締役全員を代表取締役とすることも可能ですが、混乱の原因になりますので避けた方が良いです。

監査役は別段必要ありません。
どうしても監査役を置く場合は、取締役が3名以上必要になります。

また、役員の任期も決めておく必要があります。
原則、取締役が2年、監査役が4年です。
一定の要件を満たせば、取締役、監査役共に10年まで延長が可能です。


事業年度
事業年度については、「1事業年度=1年以内」というのが唯一の制限です。
1年を超える事業年度は認められません。事業年度の末日が決算日になります。
決算日から2ヶ月以内に税務申告をする必要があります。



出資金の振り込み口座
発起人が、出資金を振り込む銀行口座を用意する必要があります。
別に、その銀行が将来のメインバンクになるわけではありませんので、どこの銀行でも問題なく、口座も普通預金です。
出資金が振り込まれたという証として、入金の記録がある預金通帳の該当ページをコピーする必要があります。
そのため、普段、ご利用の口座ではなく、別の銀行もしくは別の支店で、新たに普通預金の口座を開設される方がよいと思います。

発起人は個人事業主が1人でも問題ないか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

法人成りを検討している個人事業主です。会社設立に際して、株式は全て自分で引き受けるつもりです。その場合、発起人は私1人になると思いますが、何か問題があるでしょうか?


【ご回答】

発起人の人数に制限はなく、1人でもかまいません。したがって、ご質問のように、個人事業主のみが発起人になっても、会社設立の手続としては問題ありません。


会社の商号に何か制限があるのか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

株式会社の商号を決める場合、何か制限があるのでしょうか?
法人成りするにあたり、出来れば、個人事業で使用していた「屋号」を商号にしようと思っています。

【ご回答】

株式会社の商号は、前か後ろに、株式会社という文言を用いる限り、自由に決めることが出来ます。
漢字、ひらがな、カタカナ、ローマ字、そして、アラビア数字が使用できます。一部ですが、記号も使用可能です。

使用可能な記号は、「&」(アンドマーク)、「’」(アポストロフィー)、「・」(中点)、「、」(カンマ、「ー」(ハイフン)、「.」(ピリオド)の6種類です。
ただし、記号を商号の先頭や末尾に使用することは出来ません。「.」(ピリオド)だけは、例外的に末尾に使用することが認められています。

屋号を商号とすることに問題はありません。

ただし、次の点には少し注意してください。
類似商号の調査は不要になったが・・・

定款に記載する会社の目的について教えてください。 / 会社設立Q&A

【ご質問】

定款に記載する会社の目的とは、会社が営む事業内容を記載するものと理解しています。
定款に記載の無い事業を営むことは出来ないのでしょうか?
また、どの程度まで具体的に記載すればよいのでしょうか?


【ご回答】

定款に記載のない事業は営めません

会社は、定款の目的欄に記載されていない事業を営むことは出来ません。

また、個人事業で現に営まれている事業内容に加えて、法人成りした後に営む予定の事業を記載しても問題ありません。逆に、近い将来に開始予定の事業は、会社設立時から定款に記載しておいた方がよいのです。

なぜなら、定款に記載された会社の目的は、登記事項です。
そのため、会社設立後に目的の追加を行う場合、定款の変更をする必要があります。
それと同時に、登記自体も修正(変更登記といいます)をする必要があり、手間と費用がかかってしまうためです。

要は、記載がなければ営めない反面、記載しているからといって、必ずしも営む必要はないのです。将来スタートするかもしれない事業も、併せて記載しておかれればよいと思います。

ただし、取引先などが登記簿謄本を取り寄せた際に、何ら関連性のない目的がズラズラと並んでいる、というのも考えものです。一定の節度が必要でしょう。


目的を記載する際の注意点

目的を記載する際の注意点を簡単にまとめれば、次のようになります。

・法律や公序良俗に反するものは記載できません。
  これは、当たり前ですね。

・記載が明確であること。
  これは、少し説明が必要です。
  日本語として認知されている、意味が分かる言葉を使用している、
  ということです。
  具体的には、「広辞苑」や「現代用語の基礎知識」、「イミダス」
  などに掲載されている用語を使用していれば問題は生じません。

・具体的であること。
  これも、説明が必要です。
  設立登記において、この具体性の基準は、現在、あまり重視されて
  いないようですが、取引先や銀行などが登記簿を見た際に事業内容
  を把握できない、というのは少々問題があります。
  あまり難しく考える必要はないのですが、常識的な呼称であれば
  充分でしょう。


■ ご参考

会社法の施行前は、登記しようとする商号が類似商号にあたるか否かを判断するのに、会社の事業内容が同一といえるか?が、重要なポイントでした。そのため、会社法の施行前は、法務局で「会社の目的」の記載内容について厳格に審査がされていました。
しかし、会社法施行により、類似商号規制が廃止されたため、この審査も穏やかになったようです。



会社設立の前に、新しく事務所を借りる場合の契約名義人は? / 会社設立Q&A

【ご質問】

今までは、自宅で個人事業を営んできました。
法人成りにあたり、新しく事務所を借りようと考えています。
ただ、事務所の賃貸契約の時点では、まだ会社は設立されていませんが、賃借契約は私の名義でもかまわないのでしょうか?

【ご回答】

通常、会社設立の完了前は、個人名義で契約(仮契約)することになります。

法人成りに際して、会社設立前に新たに事務所を借りる場合には、新会社の事務所として使用する旨を、賃貸人や仲介業者に契約前に伝えておいて下さい。

手順はケースバイケースでしょうが、とりあえず個人事業者さんの名義で仮契約した後、設立登記の完了後に賃借人を会社名義に変更してもらえます。
その際、通常は、会社の登記簿謄本と印鑑証明書が必要になります。

本店の「所在場所」と本店の「所在地」は何が違うのか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

会社設立に関する書籍を見ていると、定款には本店の「所在地」を、登記申請書には本店の「所在場所」を記載する、という記述がありました。
この「所在地」と「所在場所」とは、どのような違いがあるのでしょうか?


【ご回答】

ともに住所地のことなのですが、どこまで詳しく記載するかが違います。

「所在場所」とは、具体的な本店の住所地のことです。

たとえば、
 大阪市北区南森町○丁目○番○号
 (ビル名等は、通常、必要ありません。)
というように、所在場所と言った場合、住所地を最後まで記載します。

設立登記の申請書類には「所在場所」を記載し、会社設立後に登記簿に登録されます。
したがって、登記簿謄本には、この所在場所が載ることになります。


一方、「所在地」とは、本店の所在場所の最小行政区画までのことをさします。
定款に記載しなければならないのは、この「所在地」です。

たとえば、大阪市の場合、「区」が最小行政区画のため、
 大阪市北区
でもかまいません。もちろん、所在場所と同様に、
 大阪市北区南森町○丁目○番○号 まで定めてもかまいません。

では、定款には、どう記載するべきか?ですが、
本店の所在場所の最小行政区画までの記載に止めるべきです。

例えば、将来、大阪市北区内で本店を移転したとします。

本店を移転すれば、本店の「所在場所」が変更になりますので、本店移転の登記は必ず必要になります。
違いが出るのは、その際に、定款変更の手続きが必要になるかどうか、です。

定款に本店の「所在地」を、大阪市北区南森町○丁目○番○号 まで定めた場合、本店移転登記の際に、定款の変更手続きが必要になります。

一方、「所在地」が「大阪市北区」の場合、同じ北区内での移転ですから、定款の変更手続きは必要なくなります。

ホンのチョットしたことですが、手間は少ないにかぎります。

会社には公告する義務があるらしいですが、公告とは何ですか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

会社には、「公告」というのをする義務があるらしいですね。
この、公告とは、一体どんなものですか?
また、具体的に、どのようにすればよいのでしょうか?


【ご回答】

■ 公告とは

「公告」とは、会社から株主その他の利害関係者に対する「お知らせ」のことです。
公告すべき事項は法律で定められており、その意味で、会社に課せられた義務の1つといえます。

法律で定められた事項(法定事項)とは、合併その他、株主や利害関係者にとって非常に重要な意味を持つ事項をいいます。

したがって、法定事項に該当しなければ公告をする必要はありません。
通常のケースであれば、公告事項は、計算書類(決算書類)の公告くらいでしょう。
(計算書類の公告については、こちらをご覧下さい。)


■ 公告をする方法

この公告をする際の方法(公告を掲載するメディア)を定款に定める必要があります。

公告の方法は、次の3つのうちから選ぶことになっています。

・官報(国が発行する小冊子で、政府刊行物の販売所などで購入できます。)
・時事に関する事項を掲載する日刊新聞紙(日本経済新聞など)
・電子公告(インターネット公告)

今のところ、最も費用が安くすむ公告方法は、「官報」による公告です。
そのためか、官報を公告方法に選択するケースが一般的なようです。

なお、公告方法は、定款に必ず記載しなければならない事項ではありません。
官報以外のメディアを利用する場合にのみ、定款への記載が義務づけられています。
定款に記載しない場合、自動的に、官報を選択したものとみなされます。


会社には「計算書類の公告」をする義務があるのか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

株式会社には決算書を公告する義務があるとのことですが、一般的な公告と何か違いがあるのでしょうか?
また、公告しなければ、何かペナルティーがあるのでしょうか?


【ご回答】

■ 一般的な公告との違い

「公告」のうち、「計算書類の公告」とは、会社が、自社の計算書類(決算書類)を、株主その他の利害関係者に公開することです。
これは、株式会社だけに課せられた義務で、合同会社などには義務づけられていません。

一般的な「公告」は、公告すべき事項が法定されており、法定事項に該当しなければ公告の必要はありません。
一方、計算書類は毎期作成されるものであるゆえ、毎期所定の時期に公告する義務が生じます。


しかし、中小企業の多くは、この公告義務を果たしていないのが現状のようです。


■ 計算書類の公告方法

計算書類の公告については、一般的な公告とは別に、インターネットの利用が認められています。

具体的には、自社のサイトに計算書類を掲載する、もしくはファイルをダウンロード可能な状態にしておく、といった方法で計算書類を公告します。
この方法は、官報公告に比べて費用も安く、一考の余地があると思われます。

現物出資とは、どのような出資をいうのですか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

法人成りを検討中の個人事業主です。
会社設立にあたり、お金ではなく事業用の資産を出資することも可能だと聞きました。
詳しい内容を教えてください。


【ご回答】

出資は、原則として金銭出資が原則です。
これに対して、現物出資は、物を出資します。
有形物でも無形物でも、経済的な価値さえあれば、出資財産になります。

会社設立の際に、現物出資できるのは発起人だけです。

現物出資をするには、定款に次の事項を記載します。

・現物出資をする者の氏名
  → 発起人に限られます。
・現物出資する財産とその価額
  → 経済的価値のある財産なら何でもよく、価額は出資時の時価です。
・現物出資に対して割り当てる株式数
  → 「金銭出資を含む総出資額」に占める「現物出資する財産価額」
    の割合の株式を割り当てる


現物出資をするには、裁判所に検査役の選任を申し立てる必要があります。検査役(弁護士等が選任される)は、出資財産の価額が適性か否かの調査をします。

しかし、この検査役の調査にかかる費用と時間は馬鹿になりません。決して安くはない報酬を請求され、会社設立の手続きに長期間を要することとなります。

そのため、会社設立に際して現物出資をする場合、この検査役の調査を避ける必要があります。

それには、次の要件のうち、いずれかを満たす必要があります。

・出資財産の価額が500万円以下であること → 無条件に検査役は不要です。
・出資財産の価額が500万円超である場合は、
  弁護士、公認会計士や税理士などの証明を受ける ことで不要になります。

2つめの点ですが、最も適任は、個人事業者の顧問税理士ではないでしょうか。
個人事業者の税務申告に携わっている彼らは、事業用の財産についても把握しているでしょうし、証明業務の報酬も安くしてもらえる(かも?)しれません。


上述の点に注意した上で、個人事業で使用されている事業用財産は、法人成りにあたって、会社設立時に現物出資を検討するべきでしょう。

ただし、現物出資は、所得税、消費税法ともに「売買(新設会社に対する譲渡)」として取り扱われ、課税問題が生じます。出資財産の価額によりけりですが、まとまった財産を出資される場合、専門家に相談された方が無難です。

会社設立の際に発行する株式1株当たりの金額について教えて下さい。 / 会社設立Q&A

【ご質問】

会社設立の際に発行する株式ですが、1株当たりの金額はどのように決めればよいのでしょうか? 何か制約があるのでしょうか?


【ご回答】

会社設立の際に発行する株式、1株当たりの金額は、いくらでもかまいません。
一般的には1株5万円とするケースが多いようですが、別段、それに縛られることもありません。

仮に、発起人が1人で資本金を300万円とする場合、1株当たり300万円でもかまいません。 また、発起人が複数いる場合は、各発起人の出資額を割りきれる数字にする必要があります。

例えば、資本金300万円で3人の発起人(発起人A、B、C)が、次のような割合で出資する場合を想定します。

発起人A:280万円 ÷ 1株金額 = 引受株式数(割り切れることが必要)
発起人B: 10万円 ÷ 1株金額 = 引受株式数(割り切れることが必要)
発起人C: 10万円 ÷ 1株金額 = 引受株式数(割り切れることが必要)
--------------------
総出資額:300万円 (資本金額)
--------------------

例の場合、1株5万円なら Aは56株、B、Cは2株ずつ引き受けることになります。(つまり数字が割り切れます。)
これを、1株8万円にすれば、Aは35株で割り切れる数字になりますが、BとCは割り切れません。
こんな結果にならないようにする必要があります。


最初に書きましたように、一般的には1株5万円とするケースが多いようです。
しかし、資本金が少額の場合、もう少し小さい金額(例えば1株1万円)にしておいたほうが、将来、株式の譲渡等をする場合に便利です。

設立後最初の事業年度も1年を超えてはならないでのですか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

11月27日に設立登記し、会社設立が完了しました。
事業年度は4月1日から3月31日と定款に記載しているため、来年の3月31日が最初の決算日となります。
しかし、会社設立の日から、たった4ヶ月あまりで決算をしなければならないのでしょうか?
会社設立の初年度だけでも、1年超、つまり、16ヶ月間の事業年度は認められないのでしょうか?


【ご回答】

残念ですが認められません。
事業年度は1年以内でなければならず、それは、会社設立の初年度であっても例外ではないのです。

設立初年度は、4ヶ月あまり後の翌年3月31日が、最初の決算日となります。

定款に記載する事項は決まっているのですか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

定款には何を書けばよいのでしょうか?
記載すべき事項が決まっているのでしょうか?

【ご回答】

定款とは会社の約束事を記載する書面であり、言ってみれば、会社のルールブックです。

定款の記載内容は、次の3種類に分けられます。

1.必ず記載する必要がある事項(絶対的記載事項)
  ・商号
  ・目的
  ・本店所在地
  ・設立に際して出資される財産の価額、または、その最低額
  ・発起人の氏名および住所
  ・発行可能株式総数
  ・その他

2.記載しなければ効果が生じない事項(相対的記載事項)
  ・株式の譲渡制限
    譲渡するには株主総会(もしくは取締役会)の決議による旨
    を記載します。必ず記載して下さい。理由は・・・
  ・現物出資に関する事項
  ・官報以外の方法で公告する場合、その方法
   (日刊新聞やインターネット)
  ・その他

3.自由に記載できる事項(任意的記載事項)
  記載しなくても別段問題はないのですが、確認の意味で記載したり、
  後々にトラブルにならないようにする、といった目的で記載します。
  事業年度の記載などが当てはまります。


なお、定款の最後に、発起人の全員が記名捺印します。このとき使用する印鑑は、個人の実印である必要があります。

印鑑証明書で注意すること / 会社設立Q&A

【ご質問】

設立登記には印鑑証明書が必要らしいですが、何か注意すべき点はありますか?


【ご回答】

会社設立の登記申請で必ず必要になるのが、個人実印の「印鑑証明書」です。

なぜ早く取り寄せる必要があるか

登記申請書類に記載する「氏名」と「住所」は、印鑑証明書(発起人の個人実印)の記載と同一にする必要があるからです。

例えば、私の名字は「渡辺」ですが、印鑑証明書では「辺」の字が違います。(特殊な字のため、パソコンの日本語辞書に登録されていません・・・)

住所地番も印鑑証明書と同一に、「○丁目△番□号」等と記載する必要があります。


必要枚数は

印鑑証明書の必要枚数ですが、各発起人は必ず1枚必要です。また、発起人で会社設立後に役員(取締役や監査役など)に就任される方は、もう1枚づつ必要になります。

法人成りの場合、発起人が、そのまま会社設立後の役員に就任するでしょうから、発起人の人数×2枚分が必要枚数になります。

◎ 個人事業主 = 発起人(1名) = 取締役(代表取締役) の場合
   → 発起人分プラス取締役分 = 2枚必要

◎発起人が複数の場合(会社設立後に発起人全員が役員になる場合)
   → 発起人分プラス取締役分 = 2枚×人数分必要


賞味期限に注意

印鑑証明書には賞味期限があります。

設立登記の申請時において、発行後3ヶ月以内のものでなければなりません。印鑑証明書を取り寄せてから、3ヶ月以内に設立登記を申請する必要があるわけです。


印鑑登録していないケースも

きわめて「レアケース」ですが、そもそも、個人の印鑑登録をされていないケースもありました。
その場合、まず、個人実印の登録をしておく必要があります。

設立登記に必要な申請書類 / 会社設立Q&A

【ご質問】

設立登記に必要な申請書類や添付書類について教えて下さい。


【ご回答】

設立登記に必要な書類をまとめてみました。

とりあえず、書類に書き込む「日付」は全て空欄で作成して下さい。日付は最後に入れた方が、何かと便利です。

書類に記載する「氏名」や「住所」は、必ず「印鑑証明書」の記載通りにして下さい。

定款

いうなれば、会社のルールブックです。最初に決めていただいた会社の基本事項が網羅されます。
株式会社を設立する場合、公証役場に定款を持参し、公証人の認証をうけます。

定款の記載内容は、次の3種類に分けられます。
 1.必ず記載する必要がある事項
 2.記載しなければ効果が生じない事項
 3.自由に記載できる事項の3種類あります。

しかし、はじめからあまり難しく考えず、ハウツー本(書籍)のサンプルをもとに作成される方が無難です。
なお、定款は、最低3通を作成する必要があります。



委任状(定款の認証手続き用)

公証人に定款の認証をうけるためには、発起人全員が公証役場へ出向くのが原則です。

しかし、個人事業主の場合、当然ながら日々のお仕事があります。また、「全員そろって」というのは無理、というケースもあるでしょう。

その場合、公証役場に出向けない発起人は、「委任状」という書面でご自身の代理人を指定します。公証役場に委任状を持参した代理人は、発起人に代わって定款の認証をうけることになります。
この代理人は、他の発起人や、また、発起人でない方でも指定することが出来ます。

委任状は、1通だけ作成します。

出資金の払込金融機関の決定書(発起人決定書)

出資金の払い込み金融機関を、発起人の合議により決定したことを証する書面です。
発起人が複数いる場合、1通必要になります。(発起人が1人の場合は不要です。)

出資金の払込証明書

会社設立時の全発行株式に対する払い込みが完了した旨の証明書です。
必要部数は、1通です。

従来(会社法の施行前)のように、金融機関が発行するのではなく、発起人のうち、会社設立時に会社代表者となる予定の発起人名で作成します。通常は、個人事業主が該当すると思います。

この証明書に、出資金を振り込んだ銀行口座の通帳のコピーを添付します。
コピーが必要なのは、通帳の次の部分です。
 ・通帳の表紙
 ・通帳の表紙の裏面
 ・出資金の振り込みが行われた旨の記載がある通帳のページ

以下、関連項目を、まとめてあります。




現物出資財産引継書

現物出資を利用する場合にのみ、作成が1通必要になります。
現物出資をする発起人の住所氏名、現物出資する財産、を記載します。

この書類の日付が、出資の履行日になります。

設立時取締役の調査書

会社設立後に取締役に就任する発起人が、出資が確実に履行されたことを証明する書類です。
必要部数は、1通です。
「調査書」というと何か物々しいですが、書類を作るだけです。難しく考える必要はありません。
書類は、2通必要になります。

なお、監査役を置く場合は、書面の表題は、「設立時取締役及び設立時監査役の調査書」になります。

設立時取締役決定書

設立時の取締役が複数いる場合、代表取締役を決定します。
その際に、この書面を2通作成する必要があります。

取締役が1人の場合は、その方が当然に代表者ですので、この書面は不要です。
また、取締役が複数の場合でも、全員が代表者という場合も、作成不要です。
ただし、代表者は1人に特定したほうが良いと思います。

なお、取締役会を設置した場合は、当然に必要になります。

役員の就任承諾書

取締役(または監査役)に就任することを本人が承諾する、という書面です。
発起人が取締役の場合、定款にその旨を記載することで、この書面は省略可能です。

ただし、次のケースでは、作成する必要が生じます。(2通必要です。)
・複数いる取締役の中から代表取締役を選んだ場合
・取締役会を設置した場合で、代表取締役を選任する必要がある場合

本店所在場所の決定書(発起人決定書)

発起人が本店の所在場所を決定した旨を証する書面です。
前出の「出資金の払込金融機関の決定書(発起人決定書)」と同じ用紙に記載しても問題ありません。

資本金の額が会社法及び会社計算規則の規定に従って計上されたことの証明書

非常に物々しいタイトルですね。
形式だけの書類です。気にされる必要はありません。

最後に

ここで作成する書類には、必ず、署名捺印で使用した印鑑で「捨印」をして下さい。
あとで、間違いが発見された場合、訂正が楽です。

定款に株式の譲渡制限の記載をした方がよいのは何故か? / 会社設立Q&A

【ご質問】

定款の記載内容のページで、定款に株式の譲渡制限を記載した方がよい、と書かれています。
なぜでしょうか?


【ご回答】

株式の譲渡制限の記載をすることによって、小規模な会社にとっては、何かと都合のよいことがあります。

代表的なものを挙げれば、

■ 役員の最低数の制限がなくなる

記載がなければ、
・取締役は3名以上必要(取締役会の設置)
・監査役が1名以上必要
になります。

記載すれば、取締役1人だけ(監査役は無し)でもかまいません。
逆に記載しても、最低員数の制限がなくなるだけですので、取締役を3名以上(監査役も1名以上)にすることは可能です。

■ 役員の任期を10年に延長できる

原則は、取締役4年、監査役2年 です。

記載すれば、取締役、監査役共に10年まで延長できます。


他にもメリットはあります。
このように、法人成りで会社設立した直後の小規模な会社の場合、是非、譲渡制限の記載をしておいて下さい。

資本金は、会社設立が完了したの後でしか使えないのか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

個人事業から法人成りするため、株式会社の設立を予定しています。

先に法人成りした知人に相談したところ、「資本金として出資した資金は、会社設立が完了して、会社名義の銀行口座を開設しないと引き出せない。」とのことでした。彼が言うには、1ヶ月近くの間、出資金を拘束されたそうです。

個人事業の運営資金の一部を出資金にあてる予定なので、これでは、日々の運転資金に不安が残ります。
どれくらいの期間、資金は拘束されるのもなのでしょうか?


【ご回答】

貴方のお知り合いの事業者さんは、会社法の施行前に法人成りし、会社を設立されたのだと思います。(会社法の施行日は、平成18年5月1日です。)

会社法の施行前に会社を設立した場合、設立登記のスケジュールにもよりますが、1ヶ月近くにわたり、出資金の引き出し(使用)を制限されていました。
理由は、

1.出資金に相当する資金を、銀行の「別段預金」という種類の口座に預け入れる。
2.「出資金に相当する資金を、確かに預かっている」という証明書を銀行に発行してもらう。
  (この証明書は、設立登記の際に法務局に提出する必要がありました。)
3.設立登記が完了し、会社が成立する。
4.銀行に会社名義の預金口座を開設し、先の「別段預金」から資金を移し替える。

以上の手続きが終わらない限り、資金は引き出せなかったわけです。
期間は、設立登記がスムーズなら短縮できますが、銀行側の対応によっても差が出ました。
最短でも2週間以上は拘束されていたケースが多いと思います。


会社法の施行後は、この1.から4.の手順が不要になっています。

発起人名義の普通預金口座に出資金を振り込んで、その事実を通帳に記帳したら、その後は、出資金を自由に使うことが可能です。最短で、1日で終わるのではないでしょうか。

個人事業の法人成りにあたり、会社設立まで運転資金の一部を拘束されることは、もうありません。
会社法の施行がもたらした恩恵といえるでしょう。


こちらのページも参考にされてみて下さい。

出資金の振り込みをおこなう銀行口座は? / 会社設立Q&A

【ご質問】

会社設立にあたり、出資金を振り込む銀行口座は、発起人の個人口座であれば、どこの銀行でもかまわないのでしょうか?
普段使っている、銀行口座でも問題ありませんか?


【ご回答】

出資の払込金(出資金)は、発起人の口座に振り込みます。
 ・発起人が1人の場合 : その発起人名義の口座に
 ・発起人が複数の場合は、会社の代表者になる予定の発起人名義の口座に

銀行は、どこでもかまいません。
その銀行が、会社設立後のメインバンクになるわけではありません。
普段お使いの銀行口座を利用されても問題ありません。

ただし、出資金の振込(入金)が行われた旨の記載のある通帳のページは、そのコピーを法務局に提出する必要があります。

したがって、普段お使いの口座だと、通帳の該当ページに、出資金とは全く関係のない入出金も記帳されているはずです。別に、出資金の振込入金の部分にマーカーを塗る、もしくは赤でアンダーラインを引く、等すれば、判別可能ですが、ご自分のプライバシーを法務局の担当者に見られるのは気分の良いものではないでしょう。

ここは1つ、全く新しい口座を作って、その口座を出資金の振り込み入金の専用口座とされてはいかがでしょうか。

出資金は必ず振込入金にする必要があるのか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

法人成りを予定している個人事業者です。資本金500万円で株式会社を設立する予定です。
とりあえず、私1人が発起人になり、全株式を引き受けるつもりにしております。

現在、私名義の預金口座に500万円以上の残高があるのですが、通帳のうち、残高がわかるページを払込証明書の添付資料としてもかまわないですか?


【ご回答】

駄目です。それでは、「出資金を払い込んだ」という証明にはなりません。

銀行窓口やATMで、一旦、出資金相当額を引き出して、その後に再度入金する、という方法も駄目です。

必ず、「振込入金」にしてください。

まず、新たに出資金を振り込む口座(入金側)を、発起人名義で開設します。その口座へ日頃お使いのご自分の口座から、500万円を振込入金します。(手数料が勿体ないですが・・・)
そうすれば、入金側の通帳に「振込人(発起人)の氏名」がカタカナで記帳されます。

これが、あなたが、発起人として「出資金を払い込んだ」という証明になるのです。

なお、出資金の500万円は、通帳の記帳が完了した後、自由に引き出して使うことが出来ます。

出資金は、いつ振り込めばよいのか? / 会社設立Q&A

【ご質問】

出資金は、いつ振り込めばよいのでしょうか?


【ご回答】

出資金の振込入金は、「定款の認証を受けた日」から「取締役の調査日」の間で行って下さい。

簡単に言ってしまえば、定款の認証日より後であればよい、ということになります。

「取締役の調査日」といっても、「取締役の調査書」という書類を作るだけです。
その書類に記載する日付が、調査日になります。