役員報酬とは何か? / 法人成りと役員報酬

ここで、役員賞与(ボーナス)の定義を再確認してみたいと思います。

実は、世間一般で使われている役員賞与という言葉と、税務署が考えているそれとは、少し意味が違うのです。

では、税務署が考えている役員賞与とは何か?


まずは、役員報酬という言葉を理解しましょう

賞与について考える前に、役員報酬という言葉の意味を考えてみましょう。

役員が会社から受け取るものは、 役員報酬と総称されます。これは、お金だけに限りません。会社から物を譲ってもらった場合も、それは、役員報酬になります。

例えば、会社の在庫、備品、乗用車などを、無料で譲ってもらった場合です。譲ってもらった物の時価が、報酬の金額になります。時価とは、市場での売却可能な価額、もしくは、購入可能な価額です。
無料で譲ってもらった場合には、会社に買ってもらった場合も含みます。

また、通常より安く売ってもらった場合の、その差額も含まれます。これは、要するに得をした部分です。

例えば、普通に購入すれば100万円するゴルフ会員権を、会社から半値の50万円で譲ってもらった場合を考えてみましょう。
差額の50万円は、会社からの報酬になります。50万円だけ得をした、すなわち、役員が、会社から50万円の利益を得たからです。

もちろん、会社からお金などを借りた場合は、報酬とは言いません。
また、一時的に、会社に立て替えてもらっているような場合も同様です。

報酬には、もう一つの形態があります。それは、例えば、社長の奥さんの乗用車をリースして、リース代を会社が支払っている場合。

毎月のリース料は、その役員への報酬と見なされます。
社長がリース代を会社からもらって、それをリース会社に支払った、と考えるわけです。

まずは、この役員報酬という考え方を理解して下さい。

ここで、役員報酬について整理してみます。
会社から現金をもらう場合以外にも、つぎのようなケースを含みます。

会社から無償で譲ってもらった物の時価
会社に買ってもらった物の購入価額
会社から安く譲ってもらった場合の差額
社長個人が支払うべき費用を会社に負担してもらった場合のその金額

これが、税務署が考える役員報酬です。
役員報酬という言葉は、非常に広い範囲を含んでいるのです。

では、給料とは何か? / 法人成りと役員報酬

役員報酬については、説明しました。
今度は、役員の給料とは何か?を説明します。

そんなことは、誰でも知っている!

いえ、少し待って下さい。この役員給料というのも、世間の一般常識と、税務署のそれとが異なるのです。


税務署が給料だと考えているのは・・・

税務署は、事業年度を通じて
毎月、同じ時期に
毎月、同じ金額が
支払われている場合のみを、役員給料と考えています。


どちらかに当てはまらなければ、それは、給料とは見なしません。

専門的な言葉を使えば 定期同額給与 といい、それ以外は給与とは見なしません。例外はありますが、これが基本です。

定期同額のみが役員の給料である
必ず覚えておいて下さい。

最後に賞与(ボーナス)を考える / 法人成りと役員報酬

ここまで説明して、やっと役員賞与(ボーナス)の定義ができます。

これは引き算の問題になります。
賞与とは、役員報酬のうち給与でないものをいいます。 つまり、

役員報酬のうち、給与と見なされる条件である、事業年度を通じて
毎月、同じ時期に
毎月、同じ金額が
支払われている、という条件を満たさないもの全てが、役員賞与なのです。



役員報酬と給料と賞与の関係


役員賞与とは何か?を考えても答えは出ません。まず、役員報酬という枠を押さえて、そして、給与の定期同額という要件を押さえて、最後に、賞与とは何か、が出てくるわけです。


次に、役員の給与を増減させる場合の注意点を説明します。
非常に恐ろしい話です。必ず確認して下さい。



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