役員の給料を変更するのは要注意 / 法人成り後の役員給与

前のカテゴリーで、税務署は、事業年度を通じて

毎月、同じ時期に
毎月、同じ金額が

支払われている場合のみを、役員給料と考えている旨を説明しました。

そして、役員報酬のうち、この給料に該当しない報酬は、全て賞与と見なされるというのが、前カテゴリーでの結論でした。


ここで具体例を示しましょう

こんなケースを考えてみます。

社長の給料が、月100万円だったとします。
会社の事業年度は、4月1日から3月31日までの1年間としましょう。

半年が過ぎた9月末、予想以上に利益が出ていることに気づきます。
このままでは、会社に法人税が課税されてしまう。

そこで、対策として、社長の給料を増やことにしました。
10月から給料を5割増しの150万円に上げたとします。


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そして、税務調査があれば、どうなるか?

この事業年度に支払った給料のうち、300万円は賞与だ! という認定がなされます。


なぜ賞与になるのか?

また、300万円というのは、どう計算した金額なのか?

答えは、

4月から9月までの月100万円の給料は、問題なく給与と見なされます。
ところが、10月以降の昇給は問題です。事業年度を通じて、・毎月、同じ金額が支払われている、という条件を満たしていない からです。

300万円は、こう計算されたものです

300万円は、1ヶ月の昇給金額50万円 × 昇給後の月数(6ヶ月間) です。


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税務署の解釈でいけば、本来は、10月以降の給与である 150万円 × 6ヶ月間 = 900万円 全てが賞与になります。しかし、それは余りに酷であろう、という税務署の温情?で、昇給額に相当する300万円だけが賞与と認定されます。

恐ろしい話です。


もうひとつ、恐ろしい話を

逆の例を、考えてみます。
利益が予想額にとどきそうにない場合です。

赤字になれば、銀行との関係で問題があるため、社長の給料を引き下げることにしました。 先ほどのケースとは逆に、もともと150万円だった給料を、10月から100万円に引き下げたとします。


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この場合は、もとの給料と、引き下げ後の給料の差額が賞与と認定されます。


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減額部分の50万円 × 減額前の期間(6ヶ月間) の300万円が賞与と認定されます。

役員の給与を変更できるタイミング / 法人成り後の役員給与

では、役員の給料は、全く変更できないのか?

そんなことはありません。ただし、動かせるタイミングが限られています。


変更できるのは、年に1度だけ

タイミングは、1度だけです。事業年度開始から3ヶ月以内に、1度だけ認められています。

例えば、事業年度が、4月1日から3月31日とした場合、変更できるのは、4月1日から3ヶ月が経過する6月30日までの間に、1回だけです。


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このタイミング以外で変更すれば、

昇給(上げた場合):昇給幅 × 昇給月から3月31日までの月数
降給(下げた場合):降給幅 × 4月1日から降給月までの月数

で計算した金額が賞与と見なされ、会社の経費に出来なくなります。




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