効果的な節税のために / 法人成り(法人化)した後の経理で重要なこと

効果的に節税をするために、何が最も重要でしょうか?

テクニカル(かつ合法的)な決算調整でしょうか?
それとも、税務申告書の書き方(作り方)でしょうか?
はたまた、生命保険など節税商品を利用することでしょうか?
(当会計事務所は、ポリシーとして、保険代理業は営んでおりません。)

これらが、節税に必要なケースもある、かもしれません。
ただ、節税のために最も重要なもの、ではありません。


最も重要なのは、毎月の帳簿処理です。

帳簿が? なぜ?
節税と帳簿が、どう結びつくのか?
疑問を持たれる人も多いと思います。


本当に、節税対策が必要なのか?
必要だとしたら、どの程度の対策を打つ必要があるのか?
そのためには、どんな方法をとるのが効果的か?

これを教えてくれるのが、月々の試算表であり、
その試算表の基礎となるもの、それが、毎月の帳簿処理なのです。

いい加減な帳簿。
そこからは、会社の実態を反映していない試算表しか出てきません。
そんな試算表をもとに、節税対策を検討する・・・。

もう、それは、ギャンブルです。

節税対策は、それなりのリスクを伴います。
本当に必要な場面で、必要な範囲の対策をする。
節税という目的を果たしつつ、リスクも最小限に抑える。

ギャンブルではない、節税対策をしましょう。

そのためには、決算の段階で検討していたのでは、手遅れです。
また、その段階では、出来ることも限られてきます。



今度は、節税が必要な場合と逆のケースを考えてみましょう。

悲しいかな赤字、という場合ですね。

銀行から融資を受けている、また、新たに融資の申込を検討している。
赤字の決算は、銀行から見れば、大きなマイナス要因です。

金利や返済期間など、借入条件の見直しや、融資の申込みを断られる可能性も出てきます。
この場合も、決算の段階でジタバタしても、手遅れです。

月々の試算表が適切なシグナルを発してくれるか否か?
それは、帳簿の内容に左右されます。


事前に決算での利益(損失)を的確に予想する。
そのために不可欠なのが、適切な帳簿なのです。



このページでは、ここで述べた帳簿の重要性を、少し違う角度からご覧いただきます。

難解な法人の税務申告 / 法人成り(法人化)後のお手伝い

法人成りして、最も大きく変わるものに、税務申告があります。

個人事業の場合は、自力で申告書を作成することは可能です。
所得税の申告書は、専門家でなくとも作成できるよう、様式が工夫されています。
それでも難解な部分はありますが、解説本を参考にすれば何とかなります。
また、税務署や納税協会などが主催する申告相談会に参加すれば、無料で申告の手助けをしてもらえます。

では、法人成りした後は、どうでしょう?

法人税の申告書は、非常に難解です。
書類の枚数も多く、今までに聞いたこともないような専門用語が、ズラリと並びます。

参考までに、法人税の申告書のうち代表的なものを挙げてみました。

申告書別表 1、 申告書別表 4、 申告書別表 5(1)、 申告書別表 5(2)
クリックすれば書式が表示されます。

これら4枚は、法人税の申告書のうち、その中核になる書類です。
他にも書類は沢山ありますが、この4枚の書類が、法人税申告書の心臓部です。

自力で法人税の申告が出来るか否かは、言い換えれば、この4枚を自力で作成出来るか?にかかっています。

節税できるか否かは、次の段階のお話です。
申告書が作成できなければ、節税も何もありません。


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まとめ

個人の税務申告
申告書の様式が分かりやすい
豊富な解説書(ハウツー本)
無料の申告相談会

法人の税務申告
非常に難解で複雑な申告書
多くの解説書はプロ向け
無料相談会などの行政サービスは皆無に近い
申告相談は、税務署の窓口に張り付くしかない

税務申告の土台になる決算 / 法人成り(法人化)後のお手伝い

法人税の申告書は、決算書をベースにして作成されます。
そのため、適切な申告には、適切な決算が不可欠です。
適切な申告という表現は、正しく、かつ節税できる部分はガッチリと節税する、という意味で使っています。


少し、ややこしい話をします。

法人税法では、確定決算主義、という考え方が採られています。
詳しい説明は省きますが、必要な経理処理は全て決算までに済ませなさい、という考え方です。
逆に、決算で処理されていない事項は、税務申告でも認められないケースが大半です。

荒っぽい表現をすれば、決算書が出来上がった時点で、納めるべき税額は確定します。 法人税の申告書は、言うなれば、後追いの書類です。


決算書は、事業年度末での、法人の損益と資産・負債状況を表したものです。
法人の損益は、損益計算書で、資産・負債の状況は、貸借対照表で表されます。

重要なのは、「事業年度末での・・・」という部分。
要するに節税のための処理は、事業年度末までに行う必要があるわけです。その後にできる対策は、限られてきます。


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まとめ

適切な税務申告
   正しく、かつ、節税できる部分はガッチリと節税
   無駄な税金を払わない
     
適切な決算
   正しく、かつ、節税のための方策、処理を全て取り込んだ決算
   必要な節税対策は、事業年度末までに実施することが必要

適切な決算のための帳簿 / 法人成り(法人化)後のお手伝い

多くの個人事業主様は、青色申告を選択され、ご自分で帳簿を作成しておられます。
こういうケースでは、法人成りした後も、ご自分で帳簿を作成することは可能です。
戸惑う部分も多いでしょうが、弥生会計などの会計ソフトを利用し、ハウツー本の1冊も手元に置いておけば、何とかなるはずです。

ただし、こうして作成された帳簿は、帳簿の体裁は整っているものの、適切な決算が可能な帳簿とは限らない、ということです。


適切な決算。
つまり、節税のための方策、処理を全てタイムリーに取り込んだ決算。
この決算の土台になるのが、私の考える帳簿です。

ご自分で作られている帳簿の内容が、誤っていたらどうでしょう?

帳簿の上では大して儲かっていなかったのに、実際には結構な利益が出ていた。
嬉しい誤算ではありますね。
ただし、儲けには税金が課税されます。
しかも、この場合、節税対策は何もしていません。
全く無防備な状態で、課税を受けてしまいます。

逆に、帳簿の上では儲かっていたにも関わらず、実際は赤字だった。
悲しい誤算です。
でも悲しんでいる暇はありません。
金融機関から借入をしている場合、また、借入を予定している場合、非常に困ったことになります。
赤字は、金利や返済条件の見直しにつながりかねません。
新規融資の場合は、融資そのものを断られる可能性が高くなります。


このように、節税や銀行対策の土台になるのが、帳簿なのです。

・今月末の利益は?

この点が明確になっていて、はじめて、

・事業年度末における利益の予想

が、可能になります。
利益予想ができてこそ、初めて、決算対策も可能になります。


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まとめ

適切な決算
   正しく、かつ、節税のための方策、処理を全て織り込んだ決算
   全ての節税対策は、事業年度末までに実施することが必要
    
タイムリーで正しい帳簿作成
   今月末の利益は?
   事業年度末の利益は?



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